IBD(炎症性腸疾患)の食事治療の中で、基本的な考え方となっているのが「低残渣(ていざんさ)食」というもの。

これは簡単に言えば、「食物繊維をあまり含まない食材を使った食事」ということになります。腸管に極力刺激を与えずに、腸を休ませてあげることによって、炎症や潰瘍の治癒を促したり、予防したりということを目的としたものなのです。

病院にIBD科があるところや消化器系治療が充実しているところは、入院時にもクローン病や潰瘍性大腸炎の患者の状態に即した低残渣(ていざんさ)食が病院食として配膳(はいぜん)されます。

一方、IBDを専門とする診療科がないところは、普通食もしくは三分粥・全粥といったような方法をとるところもあります(共に私自身の経験からの内容です)。 

日常生活においても、この「低残渣(ていざんさ)」プラス「香辛料を含まないもの」という食生活が好ましいと考えられています。

私たちIBD患者の場合、お腹がゆるくなりがちなので低残渣(ていざんさ)食にしても、トイレの回数が極端に減ることはあまりないかも知れませんが、徐々に効果が出ることもありますので、野菜を中心に「どの野菜の食物繊維がどの程度なのか!?」ということを知っておく必要があります。

「難しそう・・・」と思ってる方もいらっしゃるかも知れませんが、今はネットでいくらでも情報収集できるので楽しいですし、レシピ数も増えて面白いですヨ。

半面、食物繊維が少ないということは、腸の動きを抑えることにもつながるので、便秘になることもあります。いずれにしても適度な運動と水分摂取も大切ですよね。