IBD(クローン病・潰瘍性大腸炎)と診断されたばかりの方に多いのが、「SNSで他の同病患者とつながること」。

情報交換とか共感という意味では良い部分もあるかも知れませんが、他の方の食事や対処法は必ずしも参考にならないケースが多いです。

まず「食事」に関してですが、IBDの中でも特にクローン病は繊維質・脂質共にかなり制限が多い病気にも関わらず、「週に3日以上肉(しかも脂質の多い牛肉、豚肉)」という患者さんも少なからずいらっしゃいます。

経過を見ていると、やはり「お腹が痛い」「下痢が続いている」という症状も同時に訴えていることも少なくありません。

ずっとガマン(制限)し続けるのもストレスになるから…と、こういった患者さんのように「肉も繊維も関係ない」といったように日々料理写真をアップしている方も少なくありませんが、危険なのは「このくらいなら大丈夫!」と勘違いしてしまうこと。

写真をあげているご本人もそうですが、それを見ている患者さんがマネをしてしまうのはとても危ないことです。

各研究機関の成果でも発表されているように、脂質は症状に大きな影響を与えることも多く、繊維質においては(狭窄を起こしている患者さんは)とてもリスクが高いです。腸閉塞を起こしてしまっては、救急搬送をされることも可能性としてはあります。

なので、SNSで意見交換や情報交換をするのは良いですが、出てくる情報をまずは疑ってみることも大切です。もっとも、入院中や外来時に栄養士さんや主治医に基本的なことは教えてもらうことがとても重要です。

厳しいようですが、特定疾患の場合、身近な情報が少ないゆえネットで簡単につながることで安心感を得ようという流れも少なくありませんが、「これくらい大丈夫よね!」と間違った情報を共有してしまうことはQOL(生活の質)を下げてしまいかねないので、その辺りの検証もお忘れなく。